既製品とオーダー品の違いって?

すべてがオーダーメイドではない

マンションや戸建てなどの住空間には、いわゆる既製品と呼ばれるものがたくさん使用されています。扉を例に説明すると、扉とそのまわりの枠材、蝶番や取っ手、鍵などは、すべて住宅建材メーカーのセット商品ということがあります。注文住宅や分譲マンションなどのほとんどが、そういった仕様であるといっても過言ではありません。カラーや柄が幾つか用意されていて、その中から好みの商品を選ぶというものです。

私たちがこれまでにデザインしてきた商空間では、そういった製品を使用することはありませんでした。そもそも住宅と店舗では、その空間を利用する人数、使用頻度や、扱い方が大きく異なり、製品に求められるものも大きく異なります。椅子やテーブルなどの家具においても同じことが言えると思います。

誤解の無いよう、先にお伝えしておきますが、既製品を使用することは決して悪いことではありません。むしろうまく使用すれば、メーカーが時間をかけて開発してきた、その恩恵を大いに受けることができると考えています。

まず、既製品のいいところは、とにかく製品のクオリティにブレが無いこと。
徹底した管理体制のもと生産された製品ですので、耐久性や強度、寸法の正確さなど、非常に優れた点が多いです。そして、正しく使用すればその多くに保証があります。(保証の有無や期間はメーカー・製品により異なります)また、住空間に携わっている施工業者はこういった製品に慣れているため、積算から取り付けまでが非常にスムーズに進みます。職人さんもしかり、扱いに慣れているため、現場がスムーズに進みやすくなります。
一方、オーダーメイド製品はというと、形状(フォルムや細部のディテール)、や表面の仕上げ、取り付け方法など、一から検討しますので、時間もコストも割り高になります。木に関して言えば、天然のものですので、収縮や反りが発生することもあります。ただその分、質感豊かな自分のイメージ通りのものが出来るという、他には代え難い大きなメリットもあるのです。

 

製品は使い方次第でより魅力的になる

THROWでは、コストではなくコストパフォーマンスを重視してデザインを行っていきますので、両方のいいトコ取りが可能です。例えば、①扉やフローリングは住宅用建材でいいが、その代わり壁の仕上げは量産クロスではなく、塗装や左官仕上げなどもっとこだわりたい。②壁は張り替えがしやすいシンプルなクロスでいいが、扉や床材などは本物の木を使用したい。①②のどちらも間違いではありませんし、ご要望に沿ったプランが可能です。
お客様ご自身が考えるプライオリティはそれぞれ異なりますので、そのご要望を予算の中で実現させるにはどういった製品を選定すべきか、デザイン事務所としてしっかりとご提案させて頂きます。

 

ここで一つ、当社にてデザインしたホテルの事例をご紹介します。


<メーカー既製品>
・壁;大手メーカーの量産クロス貼り
・床;大手メーカーのオフィス用タイルカーペット
・扉;住宅用建材メーカーの既製品
・巾木;扉と同メーカーの既製品
・照明器具;大手メーカーの既製品
・バス;大手メーカーのFRP製ユニットバス

<セミオーダー・オリジナル製品>
・壁・天井に貼った木;商業施設用建材メーカーの受注生産品(不燃材)
・椅子・ソファ;張り地を指定しセミオーダーした業務用製品
・壁面装飾;買い付け商品をコーディネートしフレーミング
・デスクやクローゼット・ナイトテーブル;オリジナル造作家具

いかがでしょうか。セミオーダー品や造作家具、装飾品をバランスよくMIXすることで、既製品をそうとは感じさせない、コストパフォーマンスに優れた空間をデザインすることが可能になります。

皆さんのこだわりを、是非私たちにお聞かせください。

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