リノベーションって大体いくらかかるの?
いいデザインにはお金がかかりそう
リノベーションを考えるとき、どんなことをすると幾らかかるのか、それが知りたいけど想像もつかない、そう思っている方は多いのではないでしょうか。
自分が叶えたいことを、できるだけ無駄なく、かつパフォーマンスに優れた費用の掛け方をしたい、そう考えていることと思います。
このコラムを読んでいただいている方は、デザインに興味がある方が多いのではないかと思いますが、空間は、見た目だけのデザインだけではもちろん成り立ちません。動線計画や、各部屋の適切な配置・サイズ、各設備の最適な計画などがしっかりとなされた上で、ようやくそれにふさわしいデザインを検討するステージへと進むことができるのです。実際にはデザインは後付けでは考えられませんので、空間構成作業と同時に検討されていくことが多いのですが、まず優先すべきは空間構成。デザイン先行で考えてしまうと、後々さまざまなトラブルにつながってしまう可能性もあると思います。
また、ご要望の中には、絶対に譲れないデザインと、実はそんなにデザインにはこだわらなくていいと思っているところがあると思います。
オーダーメイドにこだわると、どうしても費用がかさんでいってしまいますが、お金が結構かかってしまう割には、思ったイメージを実現できないこともありますし、それとは逆に、既製品を使って費用も抑えられているのに、イメージに近い形のものが出来る、といったケースもあるのです。
業者にはそれぞれ得意なこと苦手なことがある
リノベーションを請け負う会社にも、当然得意なことと苦手なことがあります。デザインだけを行っているか、施工も請け負うのか、それだけではなく、これまでにどんな空間を作ってきたのかを、施工事例などでしっかり見極めることが大切だと思います。
本サイトのコラム『既製品とオーダー品の違いって?』でもお話ししていますが、住宅用建材の扱いに慣れていて、既製品の使用を推奨している会社があります。独自のパンフレットを作成し、その抜粋された建材の中からお客様に選定していただく、といったセミオーダーのような進め方を行っているところです。それとは対照的に、そういう既製品では満足できない、もっとオリジナリティのある空間をご希望のお客様にお答えするべく、オーダーメイドの造作や質感にこだわった仕上げを得意としている会社もあります。
例えば、知人に紹介してもらったからという理由だけで、イメージと違った事例ばかりの会社に要望を伝えようと思っても、お互いの考えがうまく噛み合わないでしょう。まずは、気になったインテリアデザイン事務所や設計事務所、工務店などから資料を取り寄せ、コンタクトを取ってみましょう。
まずは予算を決めることから始めてみる
ここまでお読みいただいて、それで結局頼んだら幾らくらいかかるの?と思われてしまったかもしれません。
リノベ専門の会社の中には、300万円、500万円、1000万円など、前もって価格を何パターンか設定しているところもありますが、この広さならこのくらい掛かります、と業者側から事前にお伝えすることは、ほとんどの場合出来ません。下記のような、毎回違う条件のすべてを見越して、想定で費用をご提示することは、どんなにたくさんの実績がある会社でも難しいのです。
・躯体の状況は?
・下地の状況は?
・既存の設備の状態は?
・工事が可能な時間の制約があるか、マンションの規約はどうなっているか?
・プラン確定までに何ヶ月かかり、竣工までに何ヶ月かかりそうか?
・お客様は内装のリノベだけを希望されているのか?
・造作家具などオリジナルで作りたいものはあるか?
また、予算を先に伝えてしまうと、やりたいことを最初から諦めなければならなくなるのではないか、もしかしたら余計なところに費用をかけられてしまうのではないか、要望に対して予算が少なすぎると断られてしまうのではないか、そういったことを心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの会社はお客様の本音が聞きたいのです。探り合っている時間を無駄に費やしてしまうよりも、どんなにご予算が少なくても、お金がかかりそうなご要望がたくさんあったとしても、まずそれをちゃんとお伝えいただき、一緒に答えを導き出すことに時間をかけたいと考えているのではないかと思います。
理想の空間が実現できそうな、そして信頼できそうな会社・担当者に出会うことができたなら、どんなことを不安に思っているのかを、率直にご相談されてみてはいかがでしょうか。
我々のようなインテリアデザイン事務所も、お客様の立場に立ち、一緒になって考えていくことをモットーに、日々業務を行っています。
繰り返しになりますが、まずはとにかく会ってみて、ご要望・ご予算を伝えてみる。理想のリノベ空間に近づく第一歩は、そこから始まっていくのだと思います。